日時:2022年12月9日(金)14:00~15:30(受付 13:30~)
開催形式: 現地開催のみ
現地会場: 中央大学 後楽園キャンパス5号館(5533教室)
https://www.chuo-u.ac.jp/access/kourakuen/
参加費: 無料
定員:200名(参加登録時の先着順)
無作為化群間比較試験の重要な目的の一つは,医師や患者がリスク・ベネフィットバランスを考慮した上で治療に関する意思決定を可能にするための,治療効果の大きさに関する頑健かつ信頼性のある情報を提供することである.生存時間に対する治療効果の大きさの要約として,1972年にSir. David Coxにより提案されたCox モデルによるハザード比が約半世紀にわたり慣習的に用いられている.1972年以降,数々の統計手法が開発され続けたにも関わらず,それらがハザード比に取って代わり,実際に臨床試験で使われることはほとんどなく,ただ統計雑誌にのみ見られる手法にとどまり続けたことは非常に興味深いとともに,ある種の虚しさ,戸惑いを感じざるを得ない.
近年,ハザード比をはじめとするモデルの妥当性に強く依存する量を治療効果の要約指標として用いることの問題点に注目が集まるとともに,その代替方法の一つとしてRestricted Mean Survival Time(RMST)を用いたアプローチが認知され始めた.RMSTは75年前にDr. Irwinにより最初に紹介されたのち,ほぼ関連文献は出ておらず,さらに,その50年後,今から25年前にDr. Karrisonにより臨床研究への応用が紹介された以降もあまり注目されてこなかった.しかしながら,2014年前後から徐々に注目を集め,2020年にはRMSTを主たる解析とする臨床試験が世界で最も権威のある医学誌の一つであるThe New England Journal of Medicineに報告されるまでに普及してきた.
本講演では,演者がこれまでRMSTに関する統計手法の研究と臨床現場への普及活動に携わった経験をもとに,治療効果の大きさの推定における,モデルに強く依存しない方法の重要性,統計手法が統計雑誌を飛び出し実際に使われる手法になるまでの普及活動の重要性,およびその普及活動に関するチャレンジについて共有する.また,最近開発したモデルに依存しない新しい要約指標とその解釈,推測方法および性能についても紹介する.
無料
詳細は後日,メールでご案内します.(申し込みを事前にお願いいたします。)
試験統計家認定の更新を申請される方は,有効期間内に30単位を取得する必要があります.本講演会は“2単位”となっており,1/15を満たします.単位認定をご希望の方は,登録時に「試験統計家の単位認定の希望有無」の項目で「希望する」を選択してください.参加受付時に出席確認をします.後日,単位認定を希望し,出席確認された方に受講証をメールでお送りします.また,希望者には試験統計家認定とは別に参加証を発行します.
日本計量生物学会事務局
biometrics@sinfonica.or.jp
当日の緊急連絡先は特設ポータルサイト内にて提示いたします.